長島町から長良川河口堰に関する若干の報告
長島・河口堰を考える会 大森めぐみ(長島町議)
私たち長島の仲間は1991年、「河口堰が完成して水を貯めれば、千本松原は枯れる、必ず枯れる」という重要な情報を得て、早速チラシを作り、この警告を海津町の全家庭に新聞折込み配布して知らせました。「いまその警告が現実の悲劇となった」のです。
私はただちに状況を、朝日の記者に知らせて調査をお願いしました。本年1月まだ松の内の5日にこれが大きく報道されました。「河口堰の影響指摘も」と。
いま、河口堰問題で共に動く仲間もいない困難の中、でも「千本松原を救いたい」ために、私は少しずつ動き始めようとしています。
海津町の史上最大の繁栄の中で、ひとりその犠牲となり、ひっそりと絶滅に向かって歩みを速めている「宝暦治水の生きた記念、薩摩義士の恨みを埋めた千本松原」。河口堰のゲートを上げるしか救う方法はないのでありますが。
長良川河口堰で貯めている水は今どうなっているか、お知らせします。
昨年4月、知事選挙があり知事が交代しました。そのとき調印された「三重県知事事務引継書」大冊を、友人が全文情報公開し頒布しました。私の見るべき所は「企業庁のなかの未利用水、未売水の項」しかありません。
「工業用水分、毎年20億8千万円(三重県の総額は355億円)を償還しているが売り先はない。既存の北伊勢工業用水もユーザーから契約量の減量要望が出ている。将来、工業用地新規立地があっても用水が高価格になるため、誘致の困難性がある」
「津市ほか中勢の水道用水、四日市ほかの北勢の水道用水、いずれも導水工事(工事費総額1千128億円)が延期したままになっており、工事再開の見通しが立たない。
河口堰の水道は水価が高いので水道料金にどれくらい転嫁できるか困難。企業庁が負担している「水資源機構」への長良川河口堰分償還金が経営を圧迫している。
伊賀地方の「川上ダム」。検討委員会のダム中止決定で建設が大幅に遅れ、給水計画が立たない。この水道計画では水価格が1立法メートルあたり411円と非常に高いものとなり、受水市町村がこの負担に耐えられるか心配である」
ほかに、名古屋市は導水、通水計画なし。愛知県は、知多半島へ木曽川の送水を停止して長良川河口堰の水を送り、市民に「毒水」を飲ませて人体実験中。工業用水は三重県と同様に売り先はない。