鮎の遡上数増に期待 長良川で産卵を観る会

2006-10-29 岐阜新聞朝刊より


 産卵期を迎えた鮎を観察する「アユの産卵を観(み)る会」が28日、岐阜市の長良橋付近の長良川河川敷であった。近年長良川での鮎の減少が叫ばれる中、今年は元気に産卵する姿が見られ、約20人の市民らが来春の遡上(そじょう)数増加への期待を込めて見守った。

 魚類研究家でフォトエコロジストの新村安雄さん(52)=岐阜市世保=らでつくる市民団体「アユの会」主催。市街地を流れる川で産卵が行われていることを知ってもらうために毎年開催しており、今年で17回目。

 記録的不漁だった昨年は鮎の姿が見当たらなかったが、今年は数十匹の鮎が産卵する場面が見られた。

 観察は、新村さんが川に入って水中カメラで撮影した映像を川岸のモニターに映し出す方法で実施。雌の周囲に雄が群れる産卵シーンが映し出されると、参加者からは歓声が上がった。

 新村さんは「長良川河口堰(ぜき)に流れがせき止められる影響で、鮎の子どもが海までたどり着くのが難しくなっている。今日生まれたうちの何匹が次の春に上ってくるか分からない。鮎は確実に減っている」と話していた。



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