三重県知事「事務引継書」で表した「困難」
2004年5月22日 大森恵
2003年4月選挙で知事が交代した。「事務引継書」は嘘も隠しもない三重県の「重要な困難」が引き継ぎされた。
長良川河口堰の工業用水分
日量55万立法メートル毎年償還20億8千万円(総額355億円)毎年償還しているが売り先がない。
現在稼動中の、北伊勢工業用水ですらユーザーから契約の見直し減量の要請があり応じざるを得ない状況である。
将来、工業用地新規立地があっても用水が高価になるため誘致が困難である。
津市ほかの中勢の水道用水、日量8万4千立法メートル
四日市市ほかの北勢水道用水、日量4万8千立法メートル
いずれも需要が見込めず導水工事(総額1千128億円)を延期しており、工事再開の見通しが立たない。
河口堰の水価が高いので水道料金にどれくらい転嫁でくるか困難である。
三重県企業庁が支払っている長良川河口堰の償還金が会計を圧迫している。
今ひとつ、「淀川水系川上ダム」の問題がある。
検討委員会でダム中止が決定されたので建設が大幅に遅れ、給水計画が立たない。受水の自治体西宮市が契約の返上を発表した。しかし国交省は継続に持ち込む姿勢である。
この水道計画では水価が現在でも1立法メートルあたり411円と非常に高いもので、上野市ほか受水自治体がこの負担に耐えられるか心配である。
以上