長良川シンポジウムに参加して
2004年5月23日
辻本 喜代志
(公共事業チェックを求めるNGOの会 会員)


 あらかじめ地図で確認し、長島より桑名のほうが流域を歩きながら現地に行けると、12時にJR 桑名に到着。途中、車窓で河口堰を確認。「何じゃこれ、とても河川にそぐわない構造物だ」が 感想である。

1時15分前には約束の地点に着きたいと、伊勢大橋を速歩で向かうが、のどかな 風情に気を取られ、
暫し立ち止まりしつつ、無事、集合時間に間に合わせる。ガミガミとは怒鳴っていなかったが、アマゴ代表は直ぐに判った。もうアマゴではなく・・・・(言わぬが花)。でもきら りと光る目の奥は、只者ではない輝きだ。河合さんに声を掛けらられ、こちらを認識していただく。

 調査船に乗り込み、堰の下流から1.5km、河口から4kmのポイントで川底を調査し、ヘドロを採取。マスコミがヘドロに、一斉にカメラを向ける。その後、揖斐川でも同じ河口から4kmポイント で調査。川砂を採取。違いがハッキリと出る。ヘドロの原因は河口堰が運用されて以来、淡水が 下流の海水と混ざらず(淡水は上面を流れ、海水は下面を流れ、そして堰に戻され渦巻く。淡水 に含まれる酸素が川底に供給されない)、ヘドロが堆積していくとの事。

残念ながらこれでは私が 求める長良川の天然鮎の遡上は無理であろう。八幡でもう一度鮎の刺身が食べたいと願望して いたのに、豊かな食文化を壊す堰だと憤慨。それといつかはやって見たい鮎の友釣り。やるなら 長良川でと決めていたのに残念だ。あとは川辺川の大鮎釣りを目標にしよう。 

調査船船上のミヨシでアマゴ代表と名刺交換し、しばし話をする機会を得た。「これが釣り師だっ たのに、川の助けを求める声を聞いたばかりに、16年も闘ってきた闘士か」と感慨もひとしお。 でもなかなか一筋縄ではいきそうにない、酸いも甘いも噛み分けた風貌に、政治家や官僚もた じたじになってしまうのだなと感心してしまう。 

民主党の3人の代議士とも船上にて名刺交換。(政治家は直ぐに名刺を出したがる) シンポジュームは学者の調査報告から始まった。興味を引くのは、やはり生態調査報告や流域 住民の話。ヤマト蜆が絶滅し、中流域でも鮎が取れなくなった。サツキマスも数えるばかりの遡上 であるといった事は頭に入っていたが、具体的なデータを見せられると驚愕してしまう。 

民主党の河村代議士はヘドロを見てビックリしたと話すが、政治家がシンポジュームに参加する のなら、もっと予備知識を持って来なくては失礼ではないかと思う。 

五十嵐教授と菅代議士との対談は、菅さんの官僚システムの話が勉強になる。なぜゲートが開 けられないのか、その素朴な疑問に答えていただいたようだ。 会場入り口で資料本を数冊求め、それをバックに背負い、赤須賀漁協で蜆があれば買っていこうと考え再び帰路を桑名にする。赤須賀には辿り付かなかったが、立派な桑名城址を見学。これ も国交省の戦略かなと推測し、暗くなった桑名の町を後にする。


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