シンポジウム「長良川河口堰運用から二年、その被害と現状を考える」


7月8日付 中日新聞名古屋版朝刊 26面記事より引用



 西條八束名大名誉教授らが、よどんで富栄養化した水質、砂地だった所にたいせき

するヘドロなど、わずか二年で変貌した長良川の姿を報告した。

 シンポは、公共事業チェックを求めるNGOの会(天野礼子代表)、長良川監視委

員会などの主催。鳩山由紀夫民主党代表ら超党派の国会議員六人を交え約百人が参加

した。

 西條名誉教授の報告では、せきから約十キロ上流地点で藻類発生量を知るクロロフ

ィルa量が六月に一五三マイクログラム(水一リットル当たり)を観測。通常の河川

なら数マイクログラムにすぎず、長良川下流は富栄養化した諏訪湖(長野県)並みの

悪い数値で、水がきわめてよどんでいるとした。

 長良川下流域生物相調査団の粕谷志郎岐阜大教授は、かつて砂地だった、せきの下

流部分でほぼ河床全面にヘドロがたい積し、最大厚さ一メートル余りに達していると

報告。特産のヤマトシジミは両岸の浅瀬以外ではほとんど全滅したという。

 このほか、大森恵長島町議が、不必要な河口ぜきの水を町が買わされることで、将

来的に町の水道料金が現行の一トン当たり約二百円から三倍にアップするという試算

を発表するなど五氏が環境、防災、経済面などから、河口ぜきについての問題点をあ

らためて指摘した。

 最後に主催した天野代表が「河口ぜき運用が長良川に及ぼした影響は軽微どころで

はない」とし、河口ぜきゲートを上げることを求めた。

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