長良川ネットワークメールニュース
Vol. 12 2002年12月23日
≪転送、転載歓迎≫
=お詫び=
こちらの事務的なミスで、講読継続のお申し込みを頂いた方の中で
一部の方に「長良川ネットワーク27号」が届いておりませんでした。
長野でのシンポジウムが終了した後の発送となり、大変申し訳ございませんでした。
長野でのジンク氏の講演内容は次号のネットワークにて詳しくお知らせする予定です。
心よりお詫び申し上げます。
また、まだ届いていないという方はお手数ですが事務局までご連絡ください。
(長良川ネットワーク編集部)
■今日のお知らせ
*「国際シンポジウム」&「緊急勉強会」のご報告
* お願い 「皆でできる自然再生を募集!」
* 12月26日(木)市民版憲法調査会「第6回学習会」のお知らせ
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先の12月12日、松本において開催された「国際シンポジウム」には、予定して
いた400人をはるかに超え600人以上の参加者があり、立ち見が出るほどでした。
また、15日に岐阜市で行なわれた「緊急勉強会」は2時間の講演と、その後、
参加者からの質問にジンクさんが的確に答えてくださり、とても内容の濃い勉強
会になりました。翌日の新聞には、どの新聞も大きく扱われ、徳山ダムの建設が
進んでいる岐阜県に対し、「ダムに変わるEUの治水」を大きくアピールする事が
できました。
◇ 岐阜での勉強会の後、ジンク氏に最近日本で取り入れられつつある近自然工法について、
また日本の治水対策についてお聞きしましたので、その一部をご紹介します。
脱ダムシンポジウムと勉強会の内容はホームページにてご覧下さい。
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ジンク氏
「原則として日本でのそういった工法は川の再生にとって補助的にすぎない。
川の流れをゆっくりにしたり、水性生物にとっては生息地を確保できるようにはなるだろう。
だが、問題は所詮河川工学であり、費用がかかりすぎ、
作業内容も多く、その後のメンテナンスも必要となる。
包括的な河川全体を考えた治水対策ではない。
例えば、森まで含めた生物多様性や、周辺の氾濫原の利用などは含まれていない。
すなわち多くの限界があり効果はあまり期待できない。
このような方法は都市部のどうしても川幅を広げることのできない部分では
妥協案として取り入れることができるかもしれないが、
それにしてもヨーロッパの計画に比べても最善策とは言えない。
このような方法はヨーロッパでは1980年代に多く取り入れられたが
結局、川が勝手に動き回り、人間の手を加えた部分はメンテナンスが必要となってしまい
、結局はそれもあきらめ、結果として、川に自由度を与えることになった。
1990年以降はそれがますます発展し、川にもっとスペースを与え、
人間の手を加える事は極力抑え、そしてかつての氾濫原をつなぎなおしたり、
流域全体を考えるようになった。
”生きた川”と呼ばれるのはこのようなことからである。
川が自分で発展することを許すのである。
すなわち人間の仕事はかつて作った人工の構造物を取り除くだけで、あとは川にまかせるのである。
長い目で見れば、この方がメンテナンスも特に必要無く、生物多様性にも貢献し、
生態系は完全に守られ、総合的な政策を施行でき、結果的に安いことがわかった。
追加された川幅の中で川は自然の堆積、進化を遂げ、豊かな生態系を築き、
保水力は大きく高まり、治水効果はとても高く、水の浄化力も高いことが判明した。
このことによる経済効果は大きい。
治水、河川管理をどのレベルで考えて行くかで方法は違ってくると思うが、
河川全体で考えれば土地利用の仕方まで考えなければならない。
それは現時点では想像できないかもしれないが、新たな展望となるのは確かである。
予算を何度もかけることなく、根本的な治水を行うには必要であろう。
もし、氾濫原としての土地利用に協力してくれる人が現れれば、
その後は多くのひとがそれに続いて協力を申し出てくれることであろう。
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・脱ダム国際シンポジウム <ダムにたよらない総合治水を考える> 報告
http://www.ktroad.ne.jp/~kjc/021221sympo.html
・ダムにたよらない総合治水の勉強会 報告
http://www.ktroad.ne.jp/~kjc/021221ben.html
●お願い 「 皆でできる自然再生を募集!」
お金がかからず、参加することが楽しくて、しかも川が少しずつ命を取り戻すようなものです。
そんなものとしてどのようなものがあるか至急ご意見をお寄せください。
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●市民版憲法調査会
「市民版憲法作成へのシリーズ学習会 第六回」
『 戦争とアメリカ 』
今月は、今年4月まで朝日新聞社のアメリカ総局長を勤められていた
(出国前はニュースステーションの解説者でもあられた)高成田享さんを
ゲストにお迎えし、「戦争とアメリカ」を語っていただきます。
■日時:12月26日(木)18:30〜21:00
■場所:総評会館 5階 501会議室
(千代田区神田駿河台3−22−11/Tel 03-3253-1771)
・営団地下鉄千代田線 新御茶ノ水駅 ・営団地下鉄丸ノ内線 淡路町駅
・都営地下鉄新宿線 小川町駅
(丸ノ内線と都営新宿線をご利用の方は千代田線方面
へ)
いずれもB3出口より徒歩0分
・JR中央線・総武線 御茶ノ水駅(聖橋出口)徒歩5分
■プログラム
・シリーズ講座 五十嵐敬喜(法政大学教授)
・ゲスト 高成田享(朝日新聞論説委員)
・ディスカッション 高成田享・五十嵐敬喜 他
・会場との意見交換
■資料費500円
■詳細及びお問い合わせはこちら↓
「憲法どっとこむ」 http://www.kenpou.com
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長良川河口堰建設をやめさせる市民会議
長良川河口堰建設に反対する会
http://nagara.ktroad.ne.jp/
nagarask@mx1.ktroad.ne.jp