★長良川ネットワークメールニュース★
vol. 8 2002年11月9日
“市民のパワーはすごい!”
与党からだされた「自然再生推進法案」の廃案を求める意見書に賛同し
ていただいた皆様の署名と、意見書を各省庁、全党の環境部会、自然保護団体
に提出した後、下記のような動きがありましたのでお知らせします。
【朝日新聞11月5日】
「自然再生法案 修正探る」
〜環境団体などの批判受け〜
開発で損なわれた湿地や河川などの復元を掲げる自然再生推進法案の行
方が、野党や環境団体の批判を受けて不透明になってきた。「法律が公共
事業の隠れみのになりかねない」との指摘や批判に、今国会での成立を目
指してきた与党3党の間にも、修正を模索する動きが出始めた。
自然再生推進法案は、与党3党が議員立法でまとめた。自然環境の保全、
維持管理などの再生事業について、政府の基本方針に従ってNP0(非営
利組織)などが加わる協議会組織が個別計画を作る、という内容だ。
しかし、与党は民主党と10月末、継続審議になっている同法案の扱いを
協議した。席上、与党側は「広く野党の賛成を得るため、具体的な提案が
あれば修正もあり得る」との姿勢を示し、法案審議より、修正協議を先行
させる構えだ。
背景には自由、社会民主、共産各党や市民団体などの反対がある。「過
去の開発への反省を法案に明記すべきだ」「批判が強い従来の公共事業へ
の歯止めになっていない」など、自然破壊をまず止めるべきだとの声は
根強い。
また、自然再生の趣旨は認めつつも、環境への影響の事前評価や、問題
が見つかった時の事業中断の仕組みが不十分、との批判もある。
さらに、再生事業を環境省と共管するのが従来型公共事業の「総本山」
とされている農林水産、国土交通両省であるという点にも「自然再生の名
目で、新型公共事業が始まりかねない」(民主党関係者)との懸念が寄せ
られている。
11月7日付けで、WWF-J、日本自然保護協会、日本野鳥の会が連名で、
衆参両院の環境委員宛てに、「自然再生推進法案に対する要望」を
提出しましたので、お知らせいたします。
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2002年11月7日
衆議院 環境委員会委員 各位
参議院 環境委員会委員 各位
(財)世界自然保護基金ジャパン
(財)日本自然保護協会
(財)日本野鳥の会
「自然再生推進法案」に対する要望
私たち自然保護団体は、2002年7月、「自然再生推進法案に対するNGOからの提
案」を提出し、自然再生推進法案に対して、6項目の修正を求めました。この後、
与野党の環境委員会委員各位による検討の結果、次の4項目の修正が行われ、本
臨時国会に提出されました。
1. 法の目的および基本理念に「生物の多様性の確保」を加える
2. 基本理念に、「透明性の確保」を加える
3. 「自然再生推進会議」の下に、「自然再生専門家会議」を設置する
4. 法施行後5年後に見直しをする
自然保護団体の提案を受け止め、修正案が作成されたことに対しては評価をい
たします。しかしその後、霞ヶ浦においては(NPO)アサザ基金が水辺の植生の
回復を地道にすすめて来たにもかかわらず、国土交通省が水位上昇を伴う水位管
理の再開を一方的に決定したり、沖縄では本島最大の海草藻場を誇る泡瀬干潟に
おいて、海草移植をすれば埋め立ててもかまわないという理屈で埋め立てが開始
されるなど、自然再生事業に対する市民団体の懸念を拡大させる事態が発生して
います。
このような状況下にあってもなお、自然再生法修正案には以下のような問題点
があり、自然再生推進法案に対する市民団体からの懸念を払拭できていません。
こうした点の解決が、担保されないのであれば、この法案は急いで可決すべきで
はなく、NGOを交えて法案作成段階から改めて議論した上で、出直すべきである
と考えますので、下記のとおり要望いたします。
記
(1) 国会における本法案の審議にあたっては、法案に懸念を抱く団体・専門
家からも参考人として広く意見を聞いた上で、慎重に審議すること。
(2) 個々の自然再生事業が、環境基本計画や生物多様性国家戦略など、わが
国の環境保全に関する基本計画にもとづいて実施されるものであることを保証す
るため、環境大臣は、自然再生基本方針の下、国民意見のヒアリングを経て、
「自然再生基本計画」を樹立し、国土の自然再生のグランドデザインを具体的に
明示するものとすること。
(3) 個々の自然再生事業が、保全生態学にもとづいて科学的に実施されるも
のであることを保証するため、自然再生事業実施計画に、モニタリング調査とそ
れにもとづくフィードバックの方法に関する項目の記述を義務付けること。また
自然再生協議会には、独立機関として保全生態学の専門家を含む科学委員会を設
置し、自然再生全体構想と自然再生事業実施計画について、科学的な検討と助言
を行うものとすること。
(4) 個々の自然再生事業を、主務大臣が事業認定する際に、生態学的に過っ
た自然再生事業でないことを保証するため、主務大臣は自然再生専門家会議の意
見を「聴くことができる」ではなく「聴かなければならない」ものとすること。
以上
(財)世界自然保護基金ジャパン 自然保護室 草刈秀紀 TEL
03-3769-1713
(財)日本自然保護協会 保護研究部 吉田正人 TEL
03-3265-0523
(財)日本野鳥の会 自然保護室 古南幸弘 TEL
042-593-6872
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長良川河口堰建設をやめさせる市民会議
長良川河口堰建設に反対する会
http://nagara.ktroad.ne.jp/
nagarask@mx1.ktroad.ne.jp