「長良川河口堰のゲートの開放必要」日本自然保護協会が提言  


2000/07/07

 長良川河口ぜき=三重県長島町、桑名市=の運用開始から五年を機に、財団法人・日本自然保護協会(田畑貞寿理事長)は六日、独自の調査を基に、建設省中部地方建設局に対し「環境や生物保護のため一定期間ゲートを開放すべきだ」などとする河口ぜき運用に関する提言を提出した。 中部地建は「中身を十分に検討した上で対応することになるが、ゲートの開放については考えていない」としている。
 同協会は提言の中で、ぜきの上流で水が滞留し藻類が発生していることを指摘。水質維持のために、運用者の判断に任されているゲート開放を藻類の発生状況など基準を設けて客観的にするべきだとしている。
 また、アユやサツキマスなどが小型化し遡上(そじょう)も遅れているのは明らかとして、遡上時期に当たる三月後半やふ化したアユが海に降下する時期に当たる十月後半にゲートを開放すべきだと要望している。
 同協会は建設省と水資源開発公団が五年間にわたり行ったモニタリング調査についても触れ「環境への影響を早期に察知し、深刻な影響が生じる前に対策をとるのが本来の目的なのに、運用者側が『影響は軽微、予測の範囲内』としてそのまま運用を続けているのは矛盾している」と批判。今年三月に解散した調査委員会に代わる独立の委員会設置を求めている。

《岐阜新聞7月7日付朝刊総合面》


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