「ダムと日本」 天野礼子著(岩波新書)
長良川のダム反対運動の経過や日本各地の河川の現状、世界の河川開発の潮流、河川行政の転換を求める行動などの裏表がわかりやすく書かれています。日本の川の現状を憂えている人にぜひ読んでいただきたいと思います。
今注目の田中長野県知事の「脱ダム宣言」の背景もわかる、タイムリーな一冊。
「治水」「利水」の名の下に、日本列島中の川を縊って建設されてきた2700のダム。今やまったく不要になったにもかかわらず、建設計画はまだ50以上もある。土建国家ニッポンの政・官・財癒着システムが、"川の国"の川を殺してきた。世界の潮流からはるかに遅れ、一向に見直されない公共事業に、いま市民たちがNO!の声をあげ始めている。日本各地の河川、欧米現地からの熱いメッセージ!
〈目次〉
第1章 日本の風土と河川
・日本は「川の国」 ・近代ダムの登場 他
第2章 ダムの功罪―これまでのダムを検証する
・"大型ダム時代"の到来 ・利水としてのダム
・ダム建設と住民 ・川をめぐる生態系 他
第3章 新しいダム反対運動の幕開け
・長良川河口堰建設計画の経緯と歴史
・"長良川NGO"の手法が全国に広まっていった
・「公共事業チェック機構を実現する議員の会」の誕生 他
第4章 世界の河川開発の潮流
・アメリカで学んだこと
・"世界の潮流"を教えた国際会議 他
第5章 「河川行政の転換」から公共事業見直しまで
・「公共事業チェックを求めるNGOの会」の成立
・地方財政の破綻 ・ダム反対知事の誕生
・国際シンポジウム「21世紀の公共事業のあり方を求めて」と建設省の大変身 他
2001年2月20日刊行
700円
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