伊藤孝司写真展「長良川とアジアの環境」 リポート
文・写真 「長良川水系・水を守る会」 三輪春男
【長良川河口堰による環境破壊を指摘する伊藤さん】 |
伊藤孝司さんに初めて出会ったのは私が「長良川水系・水を守る会」で長良川の環境保全活動を始めた,10年程前になります。水を守る会で,会報を出そうということになり,その時,表紙の写真に伊藤さんの撮られた「赤須賀漁港からしじみ漁に出かける船」の写真の使用のお願いをしたのが最初の伊藤さんとの出会いでした。やさしく「自由に使って下さい」と承諾していただいたのを覚えています。
その後,全国で開催された,長良川関連のイベント会場では,最前列で山のような写真機材を持った伊藤さんをいつも見かけました。とても物静かな風貌からは想像もつかない,硬派の作品を次々と発表されてこられたのは良く知られるところです。
2月3日に岐阜市文化センターで開催されている伊藤さんの写真展「長良川とアジアの環境」を見に行って参りました。
長良川河口堰稼働後の長良川の変化、国内での環境破壊だけでは物足りずアジア各地で続けている日本政府の環境破壊の実体を鋭く指摘されておられました。日本など先進国の二酸化炭素排出で地球温暖化、台湾への原発輸出、オーストラリアでのウラン採掘、シベリアでの森林伐採等、普段日本のマスメディアではほとんど触れられない報告は、衝撃的な内容でした。
【写真展の様子】 |
伊藤さんが御自身の著書「台湾への原発輸出」でこのように書かれています。
「この十数年の間は、かつて日本がアジア諸国に行った侵略・植民地支配による被害者たちを主に取材してきた。それと共に、日本の企業などがアジア諸国で行っている大規模な環境破壊の取材にも取り組んでいる。日本とはどのような国家なのか。その答えを見つけるために、日本によって過去と現在に被害を受けたアジアの人々への取材にこだわっている。」
私達の長良川を守る運動も、日本とはどういう国なのか、日本人とはどういう人間なのかを見つける運動なのかもしれません。
詳しくは下記のホームページで
「長良川水系・水を守る会」
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