ババリアにおける川の再生実例
ヴァルター・ビンダー
河川の再生とは、川や洪水原を可能な限り自然の状態に戻してやること、川と洪水原の生態系的機能を取り戻してやり、それが自力で回復、成長してゆく行程を注意深く管理し、見守ることである。それを実行する上でなくてはならないのは確かな生態系、水門学、生物学における知識に基づいた法律である。それはただの原則論的なものではなく、あらゆる要素を考慮に入れ、具体的に実行していく指針となるべきである。
バインダーは環境先進国ドイツの連邦法、ババリアの州法、そして組織に言及し、それらの果たす役割を明確にし、それに基づいた具体的な自然復元、もしくは再生の例を多く知らせてくれる。その中には長年実施しやっと成果を収めた貴重な例が多く、しっかりとした生態系のモデルに基づき、「水流」「個体の移動」「形態と水質」「生物共同体」などが計画行程の各段階で示される。
「洪水原の保水能力を回復することが最大の治水対策である」はヨーロッパではあまりにも常識である。しかし再生事業の目的はそれだけに留まらず、漁業の回復、レクリエーション、野生生物の保護、より自浄作用の高い河川、美しい景観などがあり、多くの分野の知恵の集積を必要とする。それをいかに彼らの法律のもとに実施していったのか。今の我々がまさしく学ぶべき点である。
ドイツの河川再生事業・スピーチのポイント
1、ドイツの水行政
・ 水に関する法律と河川事業
・ 自然保護法
・ バーバリア州憲法
・ 実施される水政策の骨子
2、水路化された河川
3、特筆すべき状態
4、河川再生のコンセプト(具体策)
・ 都市部での河川再生
・ 田舎部の広大な地域での河川再生
・ コストと認定された職員
・ さまざまなケーススタディ
河川再生とは具体的には何を意味するか。(イザール、ミュールタル川のケーススタディ)
・ せき止められた水の通路を回復する。
・ 川底の拡張(氾濫原の回復)
・ 川の回廊を計画する
・ 生態工学的手法を用いる
・ 土着の植物種を助ける
・ 木、灌木を植える
・ 河川の動物の生息地の回復もしくは改善
・ レクリエーションの向上。人々に川と冒険ができることを発見する機会を与える。
川の地形は自然的要因と水文形態的プロセスによって決まる。
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