ニッポンの川はすくえるか

天野礼子 著
伊藤孝司 写真

つり人社


 「つり人」誌に一年間連載したものをまとめたもの。
 長良川の運動を始めた時、ずぼらな釣人たちが手伝わないことにハラを立てましたが、川辺川などに象徴されるように、現実として河川局がダムについて同意を求めるのが水没現地と漁業組合である以上、やはり釣人に理解を求めるしかないと近年考え始めました。

 自分も、師である開高健も、吉野川でがんばっている姫野さんも、川辺川の塚本さんも、釣師であったからこそ「川が見えた」。私こそ、川から(釣人から)逃げてはいけなかったのだという反省をこめて、全国のダム現地の、まだ全国版の新聞ダネになっていない現地を歩きました。

 昨年はさまざまにいそがしい中で、死にものぐるいの連載でした。友人の社会派カメラマン・伊藤孝司さんの同行がなかったら、実行できていなかったでしょう。
 日本で一番新しいニュースが書けていると考えていますので、ぜひ「釣人」ではない人にも読んでいただきたいし、多くのジャーナリストの皆さんの目にふれさせたいと願っています。

目 次

・ はじめに
・ ダム排砂が海を殺す 黒部川
・ "最後の清流"にまでダムはいらない 紀伊丹生川
・ 天然アユをとりもどせ 日高川
・ 絶対反対、貫け漁協! 川辺川
・ "最後の清流"をよみがえらせる 四万十川
・ 川は誰のものか 物部川
・ ヨーロッパで進む"川の再自然化"
・ "暴れ天竜"は憤死寸前 天竜川
・ 知事を変えた漁業組合 大芦川
・ ダム乱造に待った!田中康夫知事が目指すしなやかな行政
・ 次は長良川のゲートをあけるぞ 長良川
・ "命の水"は命を懸けて守る 筑後川
・ 釣り人は何をなすべきか
・ 公共事業は変わるか
・ あとがき

2001年8月1日発売


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