9月8日発信
第2日目=9月14日
【世界水資源会議】
企画趣旨: 今年6月にニューヨークで開催された国連環境特別総会は、来年の「国連持続可能な開 発委員会」(CSD)の中心テーマを「淡水の確保」に決定した。国連の報告書は、「現 在、世界人口の8%が極度の水不足に置かれている。このまま人口増加等が続けば約3 0年後には世界人口の3分の2が水不足に苦しむことになる」と指摘している。また、 ワールドウォッチ研究所は、「これまでの戦争は石油と黄金をめぐって戦われてきたが 、いま国家間に紛争を生む最大の可能性を持っているのは“水”である」と警告してい る。今や水問題の解決は最優先で取り組むべき地球規模の課題である。 それに対して日本のダム建設の関係者らは、「だから、さらなるダム開発が必要だ。そ れにダムは地球温暖化を促進しないクリーンなエネルギーを生む。」と主張し、不必要 な公共事業の象徴として批判されている国内のダム事業と、ODA(政府開発援助)等に よる途上国へのダム建設を、さらに推進しようとしている。 特に、世界最大規模の中 国三峡ダム建設に続いて、インドシナ半島では、長い間続いたベトナム戦争やカンボジ ア内戦等の混乱が終息した現在、メコン河流域の数カ国で大規模なダム群の建設計画が 進んでおり、日本のダム建設の関係者らは、この大プロジェクトの主導権を握ろうとし ている。 一方、過去50年間、世界のダム開発の主導的立場にあった「世界銀行」は近年、ダム 建設による環境への影響や、立ち退き住民の人権問題について調査する取り組みを始め ており、セラゲルディン副総裁は、「これから半世紀、世界銀行は、ダムにはあまり積 極的に融資しないだろう。ほとんどの国において、水問題の原因となるのは、水不足で はなく、むしろ非効率で持続不可能な水資源利用のしかたである。」と言っている。ワ ールドウォッチ研究所も、『地球白書1996年』の中で、「世界の水の総使用量の3 分の2を占めているのは農業用水で、わずかな割合の削減でも、相当量の水が都市や環 境や他の農民のために使えるようになる」としている。 水問題の真の解決策は何なのか? 私達は世界の専門家を招聘し、水問題の本質を見極 め、解決策を模索し、それを日本の公共事業と援助政策に反映させたいと考えている。
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