2007年2月 愛知県知事選時・号外

「選挙へ行き、長良川を救おう!」  
  長良川河口堰建設に反対する会 事務局長 天野礼子

 郡上八幡に住む、私たちの運動の"知恵袋"の一人であった恩田俊雄さんが、1月13日に永眠されました。91才でした。
 恩田さんはもう長くガンを患っておられましたが、「河口堰のゲートを上げるまでは死ねん」とがんばって下さっていました。
 華奢な身体で郡上竿を操り、頭のよい猛者"サツキマス"を駆けて瀬を上下される様は、
さながら五条大橋の欄干に飛び乗って弁慶を手こずらせる牛若丸のようだったことが
今も私の目に焼きついています。

 名古屋のTV局や新聞社の記者さんたちは、温厚な恩田さんのたおやかな郡上弁と、
自然や川や魚に対する真摯な視点に魅入られて郡上通いをしてくれ、
長良川を何とか政治的課題でなく取りあげて電波や紙面に載せてくれようとしてくれました。
これはひとえに恩田さんの人柄の賜でした。

 今回、愛知県知事選というチャンスを得て、私たちが候補者に公開質問状を出し、
それに全候補が答えてくれたこと、またそのうちの二候補の答えを読むと、
恩田さんの働きが実によく効いていたことがわかります。

 河口堰のゲートが降りて、12年も経つのに「ゲートを上げるべきだ」と答えた候補者の回答を読むと、
彼らが河口堰問題の本質をよく理解していることがわかるからです。
河口堰に関する反対の世論の底面が広いことがこういう現象を生んでいるのです。

 私たちは一昨年は、もう1人の"知恵袋"であった村瀬惣一さんも亡くしました。
村瀬さんも同じくガンでしたが、恩田さんと同じように
「河口堰のゲートを上げるまでは死ねない」とがんばってくれていたのです。

 ゲートを下げられても、私たち「長良川河口堰建設に反対する会」を始めとする多くの団体が
長良川河口堰への反対運動をやめず、「まちがっていた運用をやめさせれば長良川は救える」をスローガンに
反対運動を続けて、毎年"長良川DAY"も続けてきました。

 それを世の中の人々はちゃんと知ってくれているということが、
今回の公開質問状への候補者の態度でわかりますね。

 私たち「長良川河口堰建設に反対する会」はこれからも、
村瀬さんや恩田さんの遺志を継いで、河口堰のゲートを上げるまで闘い続けます。

 愛知県会員の皆さんはぜひ、県知事選挙に行かれて下さい。
また、東海三県の会員の皆さんは、あなたの愛する愛知県の人々にこの候補者の回答を知らせて下さい。

 唯一水を使っている愛知県が水の使用を中止すれば、河口堰のゲートを上げることができます。
 一日も早くゲートを上げて、長良川を元の"自然河川"に戻してやりたいですね。
物言えぬ長良川のかわりに、あなたの「行動」を期待しています。


※ 愛知県知事選挙の投票日は2月4日です。


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