長良川の現状を憂える皆様へ
長良川河口堰建設をやめさせる市民会議
1999年2月20日
私たちは長良川河口堰のゲートを上げる今年度の運動の一環として、次の2つの行動のために、皆様からの募金を緊急に募ります。
1.国際ダムサミットの開催(1999年9月予定)
建設省が97年3月に、100年間にわたり施行してきた河川法に「環境」という言葉を入れて大改訂し、全国のダム計画を見直しにかけるなどの変化を見せ始めた背景には、長良川の運動がありました。私たちは‘95年2月にダニエル・ビアード氏を日弁連の名で日本へ呼び、‘96年にはアメリカのダム事情を視察、同年9月の「国際ダムサミット」にD.ビアードや「インターナショナル・リバーズネットワーク」総裁のフィリップ・ウィリアムズ、実のフレッド・ピアス、中国のダイ・チン各氏を招き、「世界の潮流は河川行政の改革である」ことを建設省に教えました。‘97年秋の集会でも、世界にダムを造り続けてきた「世界銀行」や世界の国々の知恵袋である「ワールド・ウォッチ」を招き、「公共事業は経済の足を引っぱるお荷物であり、世界の潮流はこれをやめる方向にある」ことを知らしめました。こうした活動の成果が、折しも‘98年の日本の地方財政の破綻と符合し、地方が中央から命じられるままに陳情を上げ続けてきた公共事業がいま、日本中の自治体と日本そのものを経済破綻に導いたことを明らかにしました。そして、藤前干潟や三番瀬の埋め立てを止め、吉野川を救う追い風となっています。
次は、その風をつくった私たち長良川の番です。モニタリング最後の年となる今年は、長良川を救う最大のチャンスであり、私たちは再び「国際会議」を計画したいと思います。メニュー案は次の通りです。
「公共事業・世界の潮流」
・ドイツより/「川の再自然化とは」講演者:未定
人工的に洪水を流し、その流れたところは氾濫原であるので、人家を撤去するという洪水対策に税金を使用
・オランダより/「干拓地の再生」講演者:未定
国土を拡張するためには干拓しかなかったこの国で、干拓地を湿地に戻すことが始まっている
・ニュージーランドより/ 講演者:未定
世界でいちばん新しい自然を守る法体制を持つ国
・「世界銀行とNGOのダム調査について」講演者:メダ・パッカー(インド/世界銀行ダム委員会委員)
「日本で世界の潮流を生かすための法づくり」法政大学教授 五十嵐敬喜
この会議に約500万円が必要となります。日本の自然を守る法体系を21世紀までにつくり、「国土交通省」をつぶすために、また長良川を最後の最後に救うために、ご協力ください。
2.長良川のビデオ制作(2000年春完成予定/上映時間約40分)
河口堰から流れ落ちた水は不気味な白い泡となって延々と続き、堰直下の川底には真っ黒で異臭を放つヘドロが、この3年あまりで1メートル以上も堆積しています。かつてヤマトシジミの豊かな漁場であった場所とは思えません。アユやサツキマスは、堰建設前のように海から溯上できなくなり激減してしまいました。この臭くて不味く、しかも高い水を飲まされ、愛知・三重県民は裁判に訴えています。生態系を支え、豊かな川の文化を育んだ長良川が「死の川」になりつつあるのです。
この長良川を、モニタリング最後の年に私たちは何としても救いたいと思い、河口堰「運用」によるさまざまな被害の実態をわかりやすく具体的により広く知らせるために、ビデオを制作することになりました。撮影は、長良川の写真でおなじみの伊藤孝司さん。撮影期間は1年間弱の予定で、昨年12月から撮影はすでに始まっています。日本国内だけでなく、海外でも上映し長良川の実態を世界の人々に知ってもらえるような作品にします。製作費用は約200万円の予定です。製作費用カンパにご協力くださるようお願いします。
●カンパにご賛同くださる方は…
1.国際ダムサミットの開催については、1ロ3000円
2.長良川のビデオ制作については、1ロ2000円(10,000円以上カンパの方には完成後ビデオを1本膳呈します)
いずれも郵便振替で、下記までお振込み願います。通信欄に1.サミットまたは2.ビデオとお書き添えください。
■振込先/長良川河口堰建設に反対する会−岐阜
郵便振替 00840-9-99300
問い合わせ先/長良川河口堰建設に反対する会−岐阜
〒500-8432 岐阜市畷町2-2
TEL 058-272-8495 FAX 058-271-8279
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