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シンポジウム「長良川河口堰運用6年 その現状をただす」レポート
文・写真 もりすぐる
用意した資料は、200部だった。
三重県長島町では2年ぶりとなる「長良川day2001」。今年も、国際シンポジウムと野外イベントの組み合わせ。国際シンポジウムの海外ゲストは、堰の開放を決めたオランダと、大型ダムの解体に着手したアメリカから。諸般の事情からPR期間も短く、「目玉」となる話題もないので、漸減という目論みで、資料を用意したのだ。
まったく、足りなかった。
意外なほど人が集まってきた。用意した椅子はほぼ埋まっている。外があんまり暑いから逃げてきた、という人も中にはいただろうが。
シンポジウムで語られたことを思いっきり簡単に要約すると、以下のようになる。
・長良川では、河口堰建設以来環境破壊、とりわけ水質汚濁と生物相の貧困化が顕著に進行している。
・それでいて、長良川河口堰の「運用」、すなわち「水の供給」には抵抗条件が多く、さらに三重県での導水事業の「延期」など目に見える形での「長良川河口堰不要」の動きが強まっている。
・アメリカでは大型ダムの解体に着手、オランダでは「国土保全」の役割を担ってきた堰を浸水被害が明確に予想できる場合以外は開放するなど、世界の潮流は明確に脱ダムに向かっている。
・それでいて、日本でダムが止まらないのは、着手した事業への債務の償還のルールが地方自治体や「補償金」を受け取ってしまった人に不利にできているせいではないのか。また、政治決断をするという風土に乏しいということにも問題がありそうだ。
数年前までは、長良川河口堰が不要であることに言葉を尽くし、海外からも事例を挙げて論証したのだが、今回のシンポでは、すでに河口堰が無駄だということは自明で「説得」する必要もなく、いかにゲートを上げさせるか(そしてどのようにして本体を撤去させるのか)に話が移行してきている(まったく根拠なくいってしまうと、せっかくだからゲートを開放したあとの基礎なんかは、掛け替えが必要な揖斐長良大橋に転用しちゃえばいいんじゃないのかな。もっとも、付け替え道路用地が問題なく確保できればという条件付なんだろうけどさ)。河口堰解体近し!と言いたいところだ。
冷房の効いたシンポジウム会場から外に出ると熱風。眩暈がした。
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