VOL.30-1-U

「水利権切れを生かして、救おう長良川!」
天野礼子(長良川河口堰建設に反対する会事務局長)

昨年は、水害の多い年でした。洪水が収まりかけた頃に上流のダムからの再放流が始まり、"水害"になった川もありました。
ドイツは2002年の水害で、治水によかれと思って造ってきた構造物(ダムや堤防)がかえって水害をひきおこしてきたと反省し、遊水地化をより進めました。日本にも、"洪水"を"水害"にしない知恵が、今こそ求められていると思います。私たち"長良川"が毎年続けてきた国際会議が、近年の「欧米の治水思想の変革」を日本中に広め、我が国の世論を「脱ダム」に向かわせましたが、私たちはまだ、長良川を救うことができていません。

3月末には、長良川河口堰の三重県水道用水の水利権が切れます。民主党の国土交通部会がネクストキャビネット国土交通大臣の菅直人さんを中心に、三重県知事を説得しようと動いてくれています。共産党・社民党も賛同してくれるでしょう。このネットワークで粕谷さんは、河口堰運用の前提とされていた「被害は"軽微"」がウソであったことを示されています。在間さんは、東海地方の「水需要」がなかっただけでなく、関係自治体が水による財政負担にあえいでいることを教えてくれています。「河口堰」が「いらなかった」ことは明らかです。一日も早く河口堰のゲートを開けて、"母なる長良川"をとりもどしましょう。

1月17日に準備している「長良川救済のためのシンポジウム」には、オランダ政府の陸水管理および下水処理研究所のHugo・Coops博士が来日して、オランダのハーリングフリート河口堰がなぜあけられるに至ったかを話してくださることになっています。
平日ですが、長良川を心配する多くの皆さんが参加してくださることを要請致します。
「救おう長良川!」

写真 伊藤孝司 http://jca.apc.org/~earth


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